第45回 修養講義
一昨日、10月22日(日)に修養講義を実施しました。
今回も多くの塾生が参加してくれました。
中には、当塾の卒業生も参加してくれました。
今回の講義内容は、10/7にガザ地区の武装勢力がイスラエルを攻撃したことで勃発した戦争を取り上げ、根深いパレスチナ問題の歴史を遡り解説しました。
パレスチナ問題を語る上で、もっとも重要なことは宗教についてです。
今回の戦争も、宗教対立が大きな原因です。
大きな視野で見れば、ユダヤ教とイスラム教の戦いだからです。
中学校の歴史では、ユダヤ教についてほんの二行程度の説明があるだけで、キリスト教やイスラム教のつながりは書かれていません。
キリスト教徒とイスラム教については、十字軍による対立は書かれていますが、そもそもローマ帝国がキリスト教、イスラム帝国でイスラム教が生まれたという記載がされているだけです。
これらの宗教は本来、兄弟のような関係です。
エルサレムという場所に聖地が重なるのもそのためです。
別々なものと捉えてしまうので、特に中学生にとっては今回の対立に関しては理解が難しく感じたのだと思います。
ここで、今回の講義に参加してくれた塾生の感想をいくつか紹介します。
「色んな側面から見ると、一概にこの国が悪いとは言えないと思った。」
「誰が悪いとかはいえないが、長い歴史の中で多くのことが起こってきたことが分かった。」
「ガザ地区の人の出入りが自由にできないという点が、第二次世界大戦の東西ドイツを想起させるため、日本はあまり危機感を感じていないが、世界は大きな戦争の一歩手前まできているのかもしれない。」
様々な意見がありましたが、今世界で起きているということは、日本の私達にも大きく関係していることなのかもしれません。
後半は、第二次世界大戦中に多くのユダヤ人を助けた杉原千畝を取り上げました。
映画にもなった有名な人です。
杉原千畝は、本来認められないビザの発給規則を破り自らの意思でビザを発給しました。
また千畝だけでなく、自らの危険を顧みず同じようにユダヤ人にビザを発行した様々な国の領事がいました。
今彼らが生きていれば、イスラエルの人々をどう思うのかと感じます。
今日のニュースで、ガザ地区の子どもの死者が2000人に上るというと記事をみました。
今回の講義では、答えを出すことが極めて難しい問題を取り上げました。
自ら信じるものの誇りや尊厳、命よりも大切なもの。
平和な中で生きている私たちには、理解できないことが沢山あります。
ただ、歴史や様々な考えを知り、自分で考えるということはとても大切なことです。
また、関心を持ち考えるということは、いざという時に自分の進むべき道標になるかもしれません。
何事にも興味を持つこと。
それは、学校の勉強にもつながることだと考えています。
最後に、中東だけでなくウクライナでも戦争が続いています。
一日も早い終戦を切に願っています。