第48回 修養講義

11月9日(日)に修養講義を実施しました。
今回も、卒業生(高校生・大学生)の参加がありました。
中学生も多く参加し、貴重な時間であったと感じています。

少し遡りますが、10月に速読でお世話になっているSRJさんの秋季大会が開催されました。
毎回様々な著名な方が講演され、私自身の勉強にもなっている大会です。
今回は、その講演の中で感銘を受けた、競技かるた名人の粂原圭太郎(くめはらけいたろう)さんからヒントを得た内容を講義の題材としました。
そのテーマとは、ずばり「集中力」です。
いったい競技かるたの名人は、どのようにして集中力を鍛えているのでしょう。
粂原さん自身が著した、「ちはやふる」と学ぶかるた名人の集中力という本をもとに、「集中力」について講義を実施しました。

講義では、まず「集中力とは何か?」ということを説明しました。
次に、集中力を高めるための技術や集中力をアップさせるための行動習慣を解説しました。
粂原さんの本をもとに、私の経験も加味した内容を中学生でも理解しやすく説明したつもりです。
他にも少しユニークな経験を全員で実践してみました。
それは、粂原さんの本の中にあった集中力を高めるために「瞑想」をするというものです。
自分の呼吸に意識を向け、深呼吸を繰り返す。
5分間の瞑想トレーニングでしたが、集中力を高めるための習慣になればと感じています。

後半では、集中力という観点からも、江戸時代に日本地図を完成させた伊能忠敬を取り上げました。
伊能忠敬は、歩幅(ほはば)を揃えて正確に測る訓練を重ね、その歩数と歩幅をかけて距離を計算する導線法を主に使用したと言われています。
そのやり方で4万キロを歩いたのですから、信じられない集中力です。
伊能忠敬の日本地図完成には、正確な「地球の大きさ」を知りたいという、学問的な強い探求心があったからだと言われています。
今の時代Google Earthを使えば、世界中の地図を見ることができます。
地図だけでなく、街並みまで見ることができます。
忠敬の途方もない労力を考えると、少し気の毒に感じる人がいるかもしれません。
しかし、それはあくまで時間を超えた結果です。
そうではなく、忠敬の強い探求心を知ることです。
考え方を変えれば、誰でも人は、明確で大きな目標があれば、集中力が最大に高まり自分の力を超えた結果を生み出す可能性があるということだと思います。
そのことを、参加してくれた塾生たちに強く伝えました。

講義のアンケートの中には、様々なコメントが見られました。
集中力を高めるための習慣や技をこれから取り入れたいという内容が多くみられました。
集中力は目に見えないものです。
だからこそ、集中力を高める方法を考えない人が多いのかもしれません。
今回の講義で、集中力を高める方法があるということを知ってもらえただけでも良かったと思います。
実際、私も勉強になりました。

さて、今年も残り少なくなってきました。
中学3年生は定期テストが終わり、本格的に受験対策指導が始まります。
今回学んだ集中力アップの技や習慣も駆使し、全力で指導して参ります。