第39回 修養講義

本日、4月24日(日)に修養講義を実施しました。

コロナの影響でしばらく休止していましたが、約4カ月ぶりの講義です。雨の日の日曜日でしたが、20名が参加しました。

今回の講義内容は、現在起こっているロシアのウクライナ侵攻を題材に「戦争」をテーマとした講義を実施しました。

なぜロシアはウクライに侵攻したのか。塾生に問いましたが、残念ながら約7割の塾生は侵攻の理由を考えたこともない状況でした。残りの3割からはNATOというキーワードが得られましたが、具体的にNATOの意味を理解し、侵攻理由を説明できた塾生は1割でした。この1割という数字は、まさしく今の中高生が、今回の戦争について理解している割合を表しているのではと感じています。

裏を返すと、日本がいかに平和であるかということですが、講義の中で大国アメリカの変化を塾生に伝えました。オバマ政権のリバランスからトランプ政権のアメリカファースト、そして、バイデン政権のアフガニスタンからの米軍撤退。このようなアメリカの変化を知ることで、日米安全保障は今後機能するのだろうかと。

塾生には難しい問題かもしれませんが、これからの日本を担う彼らには是非知ってほしいことです。そして、やはり戦争は人間の理性を崩壊させてしまう恐ろしい行為であることを伝えました。

今後、ウクライナ侵攻はいつ終わるのか。戦争を終わらることは、始めることよりも難しいことかもしれません。

最後は、大きな批判をうけつつも日本の内乱を放棄した人物を取り上げました。江戸時代最後の征夷大将軍の徳川慶喜です。戊辰戦争の開戦とも言われる鳥羽伏見の戦い。この戦い直後、慶喜は部下を捨てて大阪から江戸に逃げました。慶喜の本当の本意は伺い知ることはできません。ですが、あの時新政府軍と徹底抗戦をしていれば、日本の国力は確実に衰えていたでしょう。そんなことになれば、日本は欧米諸国に滅ぼされていたかもしれません。歴史にたらればはありませんが、このような見方もできるはずです。結果的に慶喜は、最小限の犠牲で日本の戦争(内乱)を終わらせたのかもしれません。

今回のテーマは、心にずしりとくる内容でした。一日も早く戦争が終わることを望みつつ、子供たちに現実を受け止めてもらい、どうすれば平和を維持できるのか、少しでも考えてもらえるきっかけになればと思います。