第40回 修養講義

昨日、5月29日(日)に修養講義を実施しました。

今回の講義内容は、「日本経済」をテーマに、急速に進んだ円安についてやインフレやデフレといった経済用語の解説も含めた講義を実施いたしました。

今回の講義内容は、中高生にとっては馴染みがなくこれまで考えることもなかったような内容だと思います。今回の円安は、コロナや戦争、またアメリカの利上げ等、様々な要因があります。ですが、今後減り続けることが予想される日本の人口を考えると、長期的な円の価値に勢いがないことは明らかです。このような現状を知ることは、これからの日本を担う中高生にこそ必要なのではないかと感じています。

塾生たちに円高と円安の仕組みを伝えるのには苦労しました。円高は輸入が有利、円安は輸出が有利と伝えてもなかなかピンとこない様子でした。参加してくれた塾生は、ある程度理解してくれたようですが、経済用語の説明を子どもたちに伝えることは、非常に難しいことだと実感しました。

後半は、日本の海運の父と呼ばれた幕末から明治を生きた岩崎弥太郎を取り上げました。今回も塾生が知らない人物です。一人、龍馬伝を見ていたという塾生が、香川照之さんが演じられていたことを覚えていました。岩崎弥太郎という人物は、土佐の地下浪人から三菱財閥の創設者まで成り上がった傑物です。維新後は、海運業で成功を収め、ワンマン経営者と言われながらも日本の発展に尽力しました。

弥太郎の残した次の言葉を塾生たちに伝えました。

「一日中、川の底をのぞいていたとて、魚は取れるものではない。たまたま魚がやってきても、その用意がなければ、素手ではつかめない。魚は招いて来るものでなく、来るときに勝手にやってくるものである。だから魚を獲ろうと思えば、常平生から網の用意をしておかねばならない。人生全ての機会を捕捉するにも同じことがいえる。」

この言葉から、塾生たちに常日頃から何を意識しなければいけないのかを伝えました。勉強で考えれば、テスト前だけ全力で勉強するのではなく、常日頃から定期テストや受験に向けた用意が必要だということです。勉強だけではありません。部活だって同じことが言えます。このようなことを伝えながら、私自身も常日頃から子どもたちの未来を切り拓くための努力をしなければいけないと改めて実感しました。

今回のテーマですが、とても大切なことを塾生たちに伝えたつもりです。塾生たちにとっては難しい内容でしたが、少しでも今の日本の現状を知り、各個人が今できることを精一杯するきっかけになってもらえればと思います。

桜園塾の修養講義では、これからも塾生たちに様々な角度から大切なことを伝えていきたいと思います。